2013年10月24日

日記:2013年10月23日(水)

しばらく連絡を取っていなかった友人に、昨日メールをした。
今日、仕事が終わって携帯電話を見ると、着信履歴があった。

電話をもらっても、またメールを送るだけ、ということが多い。
こちらからかけ返すことは、ほとんどない。
向こうが望めば話す、という位置関係を保つ。

そんな私が、珍しく、電話をかけ返した。


こちらから先にメールを送った、というのもある。
以前、とてもお世話になった、というのもある。
でもたぶん、一番の理由は、
彼女が一時期、大島で暮らしていた、ということだろう。

わずか、半年だったか一年だったか、あるいは数か月だったか。
けれどその短い島暮らしの間に、私は彼女を訪ねた。
そして彼女が島でお世話になっている人々にもお会いした。

安否を気遣うほどの近しさが、ない。
ただ、気には、なる。

こういう距離感は、対処が難しい。


私はただ、彼女がどう感じているか、
それが気がかりだった。

彼女自身は本州に戻っている。だから無事だろう。
でももしかしたら、その後も交流が続いていたかもしれない。
彼女がひどく追い込まれているような、
そういう状況でないかどうか、それが心配だった。


電話をすると、留守電だった。
名乗り、電話のお礼を言って、「じゃあまたー」とだけ吹き込んだ。

…何が「また」、なんだか。

また電話ください、また電話します、またメールします、云々。
考え得るいくつかの選択肢から、ひとつを選び取ることを避けた。
私は私を許そうとしている。
また電話します、と言って、相手から先に電話が来たら、詫びてしまう、
そういう私に、縛りを与えまいとしている。
電話ください、と勝手に言って、相手が電話をくれないことに苛立ってしまう、
そういう私に、相手の行動を規制させまいとしている。
私は私を許そうとしている。
未来を開いたまま置いておこうとしている。
…良い流れだ。
何が「また」なんだ、という批判さえ思い浮かばなくなる頃には、
もう少し、私は私を好きになっているだろう。
私をこの世に置いても良いと思えるようになっているだろう。


朝の8時に電話をもらい、
夜の21時にかけ返した。
ほんの30分後、彼女から電話があった。

「はーい」
『やほー!』

相変わらずの、明るい声。

その裏にある悲しみを。
忘れることはできない。

(中略)

近況をいくつか、報告しあう。

『大島大変だねぇー』

彼女が言いだすまで、私は触れないでいた。
少しは、そういう配慮ができるようになったか。
良い流れだ。

「ああ、どうなってるかなぁと思って」
『まぁ、大丈夫でしょ。あはは』

それだけで、察する。
この件は…ここまでだ。


『来月あたり、また中華街行こうよ』
「おお、いいねぇ」

今は、今を。
かかってきた電話にかけ返さず、またかかってくることを待つように。
ただ私は、需要のぶんだけ、生きていたらいい。
ただ私を、置いてもらえる場所で、生きていたらいい。

そうして、いつか、
巡り巡って、
私の居たい場所に、需要ができたらいい。


その日まで。
今は、今を。
posted by わたなべ かおる at 00:53| 創作・文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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